将来の暮らしについて考えたり、日常的な介護の必要性を感じたとき、
知り合いに聞いたり、インターネットで検索したりして、介護施設のことを調べる方が多いと思います。
でも、実際のところ、
情報が多すぎてよくわからない…
どんな施設選びをすればいいの…?
そう思われている方、多いのではないでしょうか。
そんな方へ向けて、今回は「介護施設を選ぶ際のポイント」を重点的にご紹介いたします!!
1.初めに、入居する介護施設の種類を選定します
要支援、要介護度、認知症の有無によって適切な介護施設の種類は変わってきます。
身の回りのことはほとんど自分でできるけれど、いざというとき一人では不安なら「サービス付き高齢者向け住宅」。
日常的に生活の介助が必要で、介護保険を利用して介護サービスを受けたいなら「有料老人ホーム」。
現在の身体や心の状況、希望する暮らし方、受けたいケアの内容に合わせて、介護施設の種類を選びましょう。
介護施設の特徴や違いは別の記事で詳しく解説しているので、参考にしてみてください♬
「自分やご家族に合った介護施設はどれ?都内の介護施設の特徴、違いについて徹底解説!」
2.希望する条件をきちんと話し合いましょう
入居する施設の種類が決まったら、今度はその中で、どこの施設に入居するかの検討に入ります。
ポイントは大きく分けて3つです。
・立地
住み慣れた街に住み続けるか、家族が住む街の近くの施設を選ぶかも大きなポイントのひとつです。
定期的に家族と面会したり、支援を受けたりする場合は、家族宅の近くの施設を。
逆に、住み慣れた街で暮らし続けたい、家族が近くに居なくても問題のない方は、現在の居住地近くで施設を探しましょう。
・サービス内容
介護保険サービスの有無、食事内容、行事内容など、施設で行われるサービスは多岐にわたります。
どのケアが必要か、どんなサービスを受けたいか、自己判断だけではなく、家族やケアマネージャーの意見を聞くことも参考になりますよ。
また、個室の広さ、食事の時間、入浴回数や時間、面会時間など生活の自由度もしっかり確認しましょう。
施設周辺の様子も、騒音などがないかチェックすると◎。
これから暮らし続けていく場所ですので、「住みやすさ」「暮らしやすさ」を優先して選んでください。
・医療体制
万が一、施設で体調を崩した時にどのように対応してくれるかを確認しましょう。
施設が、協力医療機関や嘱託医とどのように連携を取っているかがポイントです。
協力医療機関が近くにある、または医療機関が併設されていると、より安心ですね。
3.条件に合う施設を比較・検討しましょう
まずはWebや専門雑誌で情報を得ましょう。
中には主観論や感情的に書かれている場合もあるので、鵜呑みにするのは厳禁。
あくまでWebは参考程度に、実際に自分の目で見て、話を聞くのがイチバンです。
1か所だけでは、他施設との違いやメリットがわかりづらいため、複数を比較するためにも2か所以上見学するのがオススメ。
比較・検討するときのポイントは以下の2つです。
・介護サービスの内容
有料老人ホーム、グループホームなどの施設では24時間対応の介護サービスが受けられますが、医療ケアの実施については施設によって受入れレベルがまちまちで、統一されていないのが現状です。
中でも「経管栄養」「インスリン注射」は、家族や本人以外が行う場合は「医療行為」となるため、看護師の配置状況によっては、入居を断られる可能性があります。医師が常駐する施設や、急変時に嘱託医や協力病院と連携を取って対応してくれる施設もありますので、確認しておきましょう。
・経営状況の見極め
有料老人ホームやサービス付き高齢者向け住宅、グループホームは、株式会社をはじめとする様々な企業が経営しています。
近年の高齢者の増加により、「新しいビジネス」として参入してくる業者が多く、高齢者を対象とした産業は右肩上がりに増加傾向。
その一方で、着実に倒産も増えているのが現実です。2019年上半期の福祉・介護事業者の倒産件数は、2年連続で前年同期を上回り55件でした。これは介護保険法が施行された2000年以降、年上半期の最多となっています。
しかし、だからといって、新規参入した施設よりも大手の介護施設の方が絶対に良いというわけではありません。
・急速な事業展開を行っている老人ホームには注意!
資金繰りや職員の育成が追い付いていない場合があります。職員の応対や既存の老人ホームの評価を見て判断しましょう。
・異業種から新規開業した施設でも、大手にはないメリットあり
異業種からの介護事業参入はもちろん、在宅サービスから施設サービスへの参入も、必要な知識やノウハウが大きく異なります。新規参入はノウハウの面での心配がありますが、新しい発想で既存にない老人ホームを展開しているところもあり、評価できる事業所も少なくありません。
4.見学・体験入居でのチェックポイント
短期間で介護施設の良し悪しを見抜くのは難しいものですよね。
そこで、入居するホームの目星がついたら「体験入居」をしてみましょう。特に老人ホームなどは、生活の拠点を施設に移し、自宅とは異なる生活を送ることになるため、食事や入浴の時間など、実際に入居してみてから不自由に気づく部分もあります。
ただし、体験入居は慣れない環境のもとで生活するため、負担が大きくなりがち。見学を十分に行い、第一候補を決めて、体験入居→問題なければそのまま入居という流れがオススメですよ!
しっかりチェックしていただきたい見学や体験入居でのポイントはこちらです。
部屋・食堂など
- ・不快なにおいがしませんか?
- ・食堂の椅子やテーブル、床などに食べ物のカスが付いていませんか?
- ・清掃は行き届いていますか?
入居している方々の状況
- ・それぞれの髪型が画一的でなく、個性や嗜好が見えますか?
- ・著しい服装の乱れや汚れはありませんか?
- ・爪、髭が伸び放題になっていませんか?
- ・身体は清潔に保たれていますか?
- ・個人のプライバシーに配慮した入浴介助がなされていますか?
- ・身体の拘束をしていませんか?
雰囲気・人間関係について
施設の雰囲気には、そこで働くスタッフの人柄が如実に現れます。施設選びをする方々にとって、一番気になるのは「職員・スタッフの人柄」だと言っても過言ではありません。
スタッフの人柄は、入居されている方々とスタッフとの関係性にも影響が。特に認知症の方は、気配を察しておびえることもありますので、柔らかな対応が求められています。
雰囲気・人間関係のチェックポイント
- ・プライバシーが守られている場所で話を聞いてくれますか?
- ・ダラダラとした行動、無駄話をしているスタッフがいませんか?
- ・スタッフが常に忙しく走り回っている、表情が疲れ切っていませんか?
- ・入居者や家族が望まない呼び方をしていませんか?(「ちゃん付け」や「ニックネーム」など)
- ・乱雑な言葉遣いや怒鳴り声が聞こえませんか?
あえて「食事前後」といった忙しい時間帯に見学すると、その施設の本質が見えてくる可能性がありますよ。
立地・周辺環境について
今まで慣れ親しんだ土地に住むか、そこから離れて家族の近くに住むかによって異なりますが、周辺環境は、自然が好きなら緑が豊かな公園の近く、長年漁師などをされていた方なら海が見えるなど、本人が落ち着く環境を選ぶのが◎。
自立度の高い施設であれば、交通の利便性も重要なポイントです。
食事について
見学の際は食事風景を見て、できれば試食させてもらいましょう。
老人ホームでは栄養価を考慮した献立が立てられていますが、味や見た目はもちろん、雰囲気作りも大切です。ご飯やみそ汁のにおいは食欲を刺激するので、あえて居室の近くで調理したり、認知症の方に献立を説明しながら食事介助するなど、ちょっとした工夫が食事をよりおいしくします。
また、個人の好みや療養食にも対応できる場合があるので、事前に確認しておきましょう。
私物の持ち込みについて
火器や危険物でなければ、私物の持ち込みは自由です。盗難や紛失の恐れがあるため、多額の現金や貴金属の持ち込みは推奨されません。他にも、ペット禁止の施設は多いので、ペットを飼っている方は要注意。
その他については、スペースや倫理上問題がなければあまり制限はありませんが、心配であればその施設のスタッフの方に聞いてみましょう。
イベントについて
施設では、正月から大みそかまで様々な季節行事が行われます。これは入居者に楽しんでいただくためだけでなく、室内で過ごすことの多い入居者へ「季節」を感じてもらうためでもあるんです。
施設側にも、ある程度余裕がないと「イベント」にまで手が回りません。行事やイベントがないといけないというわけではありませんが、入居者本位のイベントが行われているかどうかも一つのチェックポイントです。
5.ご心配事、お困りごとがあれば是非ご相談を‼
いつか訪れると分かっていても、いざ「介護が必要」になると困惑するもの。
ITフォレストこだいらでは、皆様のより良い暮らしづくりに向けたご相談も承っています。
サービスや環境に関してご質問や不安なことがあれば、何でもお気軽にお問い合わせくださいね♬